世界遺産の興福寺に隣接する名勝・猿沢池(奈良市)で外来種のミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)が増殖していることを受け、奈良県が平成8年以来、18年ぶりに水を抜いて池の調査を行ったところ、池に生息するカメの大半がミドリガメで、在来種のクサガメなどが激減していることが分かった。ミドリガメはペットなどで飼っていたものが捨てられたとみられ、生態系を乱すとして駆除された。調査では、観光客が捨てたとみられる大量のごみも見つかり、古都・奈良を代表する名勝で安易なポイ捨てが横行していた実態が浮かび上がった。(橋本昌宗)
カメの国際見本市 タオバオ代行
「またミドリガメだ…。イシガメが全然いない」
2月19日、猿沢池でカメなどを捕獲した作業員はため息を漏らした。予想した以上にミドリガメが多く、期待したクサガメ、イシガメが少なかったためだ。
大規模な捕獲となったこの日を含め、作業期間の18~23日に見つかったカメは全部で258匹。このうちミドリガメは198匹と群を抜いて多く、クサガメは54匹、イシガメはわずか1匹だった。
前回の水抜き調査ではミドリガメ78匹に対し、クサガメが358匹、イシガメが59匹と在来種が優勢だったが、この18年間にミドリガメが急増していることを裏付けた。
今回の調査ではほかにスッポンが3匹と、中国原産のハナガメ、イシガメとクサガメの交配種、北米原産の肉食魚「スポッテッドガー」も各1匹発見された。前回も含めて見つかったカメの原産地は北米や中国、東南アジア、中近東など世界中に及び、地元の生物を調査している奈良教育大付属小の井上龍一教諭は、「(まるで)カメの国際見本市だ」と皮肉まじりに形容した。
国内で急速に普及
ミドリガメは米ミシシッピ川が原産で、もともと日本にはいない。在来種のクサガメ、イシガメに比べ、卵を産む数が多く、繁殖力が強い。ストレスにも強く、甲羅干しのできる陸地を在来種を押しのけて独占する。体も浮きやすい構造で、陸地がなくても甲羅干しができる。
1970年代頃から日本に輸入され、たちまち普及したが、成長が早くて飼いきれなくなり、捨てる飼い主が後を絶たない。猿沢池だけでなく、全国の川や池で生態系の破壊が問題となっている。
国内で広範囲に普及しているため、輸入や飼育、遺棄を禁止する外来生物法の「特定外来種」に指定すると混乱が生じる恐れもあるとして、環境省は段階的な規制を検討しているが、根本的な解決は難しいのが実状だ。
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